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声優警察第56回『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』悠木碧さん
2010年 2月 27日(土曜日)

 普通の高校生活を送っていた鏑木アキラの前に現れた一人の少女。彼女は自らをヴァンパイアを統べる女王であると宣する。
 彼女――ミナ・ツェペッシュの目的はヴァンパイアのための居住区=ヴァンパイアバンドの設立。時を同じくして日本に現れたヴァンパイアたちを従えた彼女は、絶大な権力と資金力を背景に東京湾に浮かぶ東京零号埋立地を接収しバンドの設立を一方的に宣言する。
 ヴァンパイアの登場に人々は当惑し、その存在、バンドの設立について抵抗を示すものも現れる。さらに女王を頂点とした社会であるはずのヴァンパイアの中にさえ、ミナの地位と命を狙う者たちが…。

 自らも人間ではなく人狼であること、そしてミナを守るために育てられたことを封じられた記憶の中から思い出したアキラは、ミナと彼女を取り巻く戦いのなかに巻き込まれていく。

 東京湾に突如として設立された『ヴァンパイアバンド』!
「ヴァンパイア」とは何者なのか!?
正体不明のバンドの調査に乗り出した太門団長の前に、一人の少女が姿をあらわす。彼女は自らを「ヴァンパイアの女王」と話すのであったが…



団長「お嬢ちゃんがヴァンパイア?
   お嬢ちゃん、大人をからかっちゃあいけないよ(笑)」
悠木さん「うーん、ヴァンパイアなのじゃが…」


 というわけで、今回は本作の主人公にしてヴァンパイアの女王ミナ・ツェペッシュを演じる悠木碧さんに事情聴取を敢行した!


悠木碧さん(ミナ・ツェペッシュ役)
3月27日生まれ、千葉県出身。プロ・フィット所属。
弱冠17歳ながらも、幅広い演技で多彩な役どころを見事に演じ分ける。今期活躍が期待される若手人気声優。近年の主な出演作は『いちばんうしろの大魔王』ころね役、『夢色パティシエール』天野いちご役、『あにゃまる探偵 キルミンずぅ』御子神リコ役、『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』ノエル役など
●プロ・フィット/



■私がもともとチキンな性格なので(笑)

― 悠木さんはミナをどんな女の子と考えて演じられていますか?

悠木碧さん:ミナは「少女」の姿をしていますが、私としては「女性」だと受け止めていますし、おそらく私が今まで演じてきたなかで最高齢の女性なんです。彼女は可愛い一面や怖い一面など多面的に持っていて、とても人間らしい感情の動きをするのだけれども、どこかヴァンパイアの怖さを感じさせます。愛し方の純粋さもミナ独特の――かわいいのだけれども、ともすれば怖さのある純粋さだったり、怒るときも激情的な部分を見せたり、一方で公の場で見せる彼女の顔は堂々とした女王のそれだったり…。
 全てミナであるにも関わらず、たくさんの人を演じているような気分になるくらい多面的で、またそれがいとおしいと思いながら演じています。

― 劇中でもミナの感情や態度が、突然切りかわるシーンが多いですが、演じていて難しさはありますか?

悠木さん:逆に、コロッと切りかわるときは、気持ちが本当に変わっているのではなくて、何かを企んでいるんだと思っています。難しいというよりは、楽しいです。なんだか女の子だからこそわかる女の子のズルさみたいなものを感じるんです(笑)。
 そんなときに私は役と仲良くなれような気がして――私は役を知ることを「仲良くなる」と表現することが多いんです――、役を知ることができて難しいというより楽しくなってくるんです。

― 「女の子だからわかるズルさ」ということは、悠木さんにも「ズルい」部分はあるんですか(笑)。

悠木さん:どうでしょう(笑)。たまにはあるのかな? 人によって電話に出るときの声が変わるじゃないですか。ミナの感情の出し方もそれと同じだと思います。好きな人がいたら、やたらとかしこまってしまうかもしれませんし、お母さんと話しているとき、先輩と話しているとき、やっぱり全然違いますよね。裏表の切りかわりみたいなものって女の子なら誰でも持っていると思うので、たぶん私にもあるんじゃないでしょうか(笑)。

― ミナというと、ヴァンパイアの女王ゆえの独特の言葉遣いがあるのですが、普段使わない言葉遣いというのは演じていていかがですか?

悠木さん:すごく勉強になるんですけれども、脚本の吉野弘幸さんが私を試しているんじゃないかと感じるような言い回しがたまにあって…(笑)。本作とは別に、私が出演している『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』でも吉野さんが脚本を担当されているんですけれども、あっちでも難しい言葉ばかりなんです! あっちは機械の話が多くて、こっちは政治の話が多い! 「あぁ…、私はきっと吉野さんの試練をあたえられているのかも…」って思っています(笑)。

― 「これは読めない!」っていう台詞はありましたか?

悠木さん:毎回あるんですが…(笑)。「為政者」という言葉はよく出てくるんですけど、最初は読めなくて「ん??」ってなってましたね。回を重ねるごとに私の漢字のボキャブラリーが増えていくような気がします。最近の収録ではようやく読めない漢字が無くなってきたところです!
 でも知らない言葉を知るのは楽しいです。私は「言葉」が好きなので、演じていて楽しいって思えます。

― あの言葉遣いも、ミナの一つの魅力になっていますよね。

悠木さん:そうですね。少女の外見で、あの言葉遣いっていうのは特異なものなんですけど、可愛いくもあり、怖さもあって、ミナにすごくあっていると思います。二次元キャラクター独特の魅力っていうのかな。実際には有り得ないけど、有り得てしまう、あの感覚は演じる側としても楽しいですし、魅力的だなって思います。

― 声優警察では以前『紅 kure-nai』九鳳院 紫役でインタビューをさせていただきました。「難しい言葉遣いの女の子」「ちょっと偉そうな女の子」という役は似たものがあるかもしれませんが、今回のミナ役と比べていかがですか?

悠木さん:紫とミナでは、積み上げてきたものが違うので、表現の仕方も異なるんです。紫の場合は、ストレートに感情をぶつけてくる。一方でミナは、一つ一つの言葉をゆっくりと話し重たくする。
 それにミナは自分の威厳まで意識して言葉を使っています。自分の外見が幼いことを知っていて、言葉を選んでいるんです。彼女も劇中で言っていましたが「ヴァンパイアの長として、恐れられねばならない存在」だと自分を考えているからこそ、使っている言葉遣いなんです。

― 例えばどんな台詞に、そんな部分が現れていると思いますか?

悠木さん:台本を読むと「~~じゃ!」と「!」がついている台詞があるんですが、ミナは叫ぶのではなく、低く訴えるような、威嚇するような演技になるんです。音響監督の鶴岡さんからも「叫ばずに相手を従わせる方法を考えなさい」と言われ、すごく難しかったです。

― そこが数百歳を生きたミナを、17歳の悠木さんが演じる難しさというわけですね。

悠木さん:中田譲治さん(ヴォルフガング役)や、甲斐田裕子さん(ヴェラトゥース役)、黒田崇矢さん(アルフォンス役)といった方々に指示を出して従わせるだけのパワーって何だろう!?っていつも悩みます。
 …それに、私がもともとチキンな性格なので(笑)。第5話で、総理大臣と交渉するシーンがあったんですけれども、私は心が折れてしまいそうで…。「がんばれ! わたし負けない!」って、私も戦いに臨む気持ちで演じました(笑)。

― さて、怖いお話だけではかわいそうなので、ミナのかわいいところ、視聴者にぜひ見てほしいところを教えてもらえますか?

悠木さん:ミナはとても純粋です。この後のお話で、彼女はヴァンパイアの女王として逃れられない使命をつきつけられるのですが、ミナは抵抗するんです。「私はアキラだけのものになりたい」って。彼女は数百年を生きて、人間のズルさをたくさん見てきたのに、見てきたからこその純粋な気持ちは、すごく切なくて、いとしい――そこが彼女を人間っぽくしている部分だと思います。そんな彼女は、かわいいですね。
 そして由紀との関係のなかで、甘えたり、ケンカしたり、でも仲良くなったり…そうこうしていくうちにミナ自身が少しずつ人間寄りになってくるんです。政治・外交の相手としてしか考えていなかった人間を、ミナは分かり合おうとするようになっていく。人間らしさが生まれてくるミナも見てほしいです。


■実を言うと…「おじさま好き」なんですよ~

― ミナを守る存在である鏑木アキラについて伺います。悠木さんから見てアキラはどんな男の子でしょうか?

悠木さん:アキラは本当に「ミナの騎士(ナイト)」って感じですよね。彼女を守る立場なのだから当然なんですけど、表面的なもの以上に心からの「騎士」って感じがします。アキラって私と同じ歳くらいですけど、あんなに芯の通った男子はなかなかいないですよ! 信念があって、若いけれどもミナを守る「騎士」として育てられてきた重さがあって――記憶を無くしていても、あれだけ大人っぽいのは、心の底から守るべき「お姫様」としてミナを感じてくれているからだと思います。中村さんの演技がすごく素敵なのでさらにアキラが素敵に見えてきます。若いからこその、無意識で自然なフェミニストさ、そんな雰囲気がアキラの魅力ではないでしょうか。

― では、悠木さんもアキラみたいな存在に憧れますか?

悠木さん:…わたし…実を言うと…「おじさま好き」なんですよ~。ごめんなさい!(笑)

― 「おじさま好き」?

悠木さん:いま放送中のラジオ『ラジオ イン ザ ヴァンパイアバンド!』でもたまに言っているんですけど…一緒にパーソナリティをしている三枝由紀役の斎藤千和さんも、おじさま好きということで「男は30からだよ!」というのを挨拶がわりにして、「男は30からだよ!…の悠木碧で~す!」とか言ってしまうくらい大人の男性が好きなんです(笑)。

― では本作だと、どのあたりのキャラクターが好みですか?

悠木さん:まだ登場していませんが、のちのち出てくるローゼンマンというヴァンパイアがいるんですけれども…かっこいいです! 彼は左眼に眼帯をしているんですが、「あ~カッコイイ♥」って(笑)。ちょっとSなところがあるおじさまってなんだか素敵ですよね(笑) ともかく! 私の本命はこのあと登場します!

― 悠木さんのあまりのローゼンマン押しっぷりに、ちょっとアキラが不憫に思えてきました(笑)。

悠木さん:アキラはミナのものですから、私のものではないんですよ(笑)。


■最後まで見たらもう一回見直したくなってしまうと思います

― ミナはヴァンパイアの女王として絶大な権力と、資金力を有しているわけですが、もし悠木さんが同じ力を得たら何がしたいですか?

悠木さん:わたし古いお城を買い取って住みたいです!

― お城ですか?

悠木さん:授業で、どこか好きな国を選んで調べるという課題があったんですけれども、そのときにアイルランドに古城のホテルというのがあると知り、私はこの古城のホテルを買い取って一生暮らしたいな~って思ったことがあるんです。もしミナのような力があるなら、ぜひ実現してみたいです。もともと私は権力とか振りかざせるタイプではないですからね(笑)。 権力はいらないでのですが、お城で暮らしたいです(笑)。

― ヴァンパイアのプリンセスには相応しいかも…しれませんね。さて、では折り返し地点を迎えたアニメについて後半の見所を教えていただけますか?

悠木さん:このあと、ミナがなぜ子どもだったのか――彼女の一番弱くて、一番切ない部分が次々と描かれます。そして一方のアキラが、本当の意味でヒーローになっていきます。7話までのアキラはミナを信じきれない部分があって、対立してしまうこともあったんですが、ここからは本当にアキラがミナにとっての「騎士」になって、ミナも守られる存在としての「お姫様」になっていきます。
 そしてアニメオリジナルキャラクターの美刃の秘密も少しずつわかっていったり…ストーリーが急展開していくので期待してください。今までの脚本に二重三重に張られた伏線が全て解けていくので、絶対に面白いですよ!
 これまで「これはヘンだろう」とか「これどういうこと?」って感じていた部分が、「あ、そうか! こういう展開のための伏線だったのか!」って答えに繋がっていくので、最後まで見たらもう一回見直したくなってしまうと思います。

― 最後になりましたが、読者へのメッセージをお願いします。

悠木さん:皆さんがミナをかわいいと感じてくれていると嬉しいのですが、一方でミナは「かわいい」と思われるだけのキャラクターではないと私は思っています。今の人間社会について訴えたり、感じさせる部分も含んだ存在だと思うので、観てくださっている皆さんもそういった部分を感じたり、見つけてもらえたりしたら嬉しいと思います。よろしくお願いします。

― ありがとうございました。



 悠木さんの意外な趣味が明らかとなった今回の事情聴取! 31歳の団長もちょっと嬉しくなってきたぞ!(笑)
 …話の要点はそこじゃない! え~、後半にむかって急展開が待っているらしい『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』。ミナとアキラの活躍…そしてローゼンマンの活躍に期待だ!


ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド
●放送局・日時/
・チバテレビ 毎週日曜 24:00~24:30
・テレビ神奈川 毎週日曜 25:30~26:00
・テレ玉 毎週月曜 25:00~25:30
・TOKYO MX 毎週火曜 25:30~26:00
・テレビ愛知 毎週火曜 25:28~25:58
・サンテレビ 毎週水曜 26:10~26:40
・AT-X 毎週木曜 9:00/21:00~ リピート放送 毎週月曜 15:00/27:00~
●公式サイト/

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