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| 『オトコのコはメイド服がお好き!?』 第12話 チャプター04 |
| 2009年 6月 22日(月曜日) |
![]() ユキ 「…………。 (ナ……ナオ兄の部屋……)」 どきんっ……どきんっ……どきんっ……。 ユキくんの胸は高鳴っていました。 だってここはナオくんの部屋――ユキくんのほのかな憧れである、お兄ちゃんの部屋なのです。 しかしドキドキしているのは、ユキくんだけではありません。 コースケ「…………。 (こ、困った……女の子の部屋にあがってしまった……)」 そう、ここにはコースケくんも来ているのです。 ソファもない部屋で、ベッドにちょこんと並んで座ったふたり。 ……なんだか妙な雰囲気です。 ![]() ユキ 「(マ、マズったなぁ……。 とっさにナオ兄の部屋まで連れてきたけど、これからどーすりゃいいかとか 全然考えてなかった……)」 コースケ「(無理にでも『店で待ちます』といえばよかっただろうか……。 でもまさか、肩に担いで連行されるとは思ってもみなかったし……)」 ユキ 「(あ……あのぬいぐるみ、オレがゲーセンでとってあげたヤツ……。 ――って! そんなことに感激してる場合じゃねーよぉっ!)」 コースケ「…………」 ユキ 「…………」 コースケ「い……いい天気、ですね……」 ユキ 「は? は……はい……」 ……会話がつながりません。 ……ふたりとも緊張しているからでしょうか? ナオくんの部屋で勝手に話の種を探すわけにも行かず、 黙り込んだままひたすら自分の膝を見つめるふたり……。 ユキ 「(か、考えてみれば、これも何かヤベー状況だぞ……? こんなカッコで、オトコとふたりきりって…… ――ってバカっ! オレだってオトコじゃねーかっ!)」 ![]() コースケ「…………っっ」 ユキ 「(オ、オマエまで軽くドギマギしてんじゃねーよっ!! マジでそーいう雰囲気になってるみてーじゃねえかっ!)」 かっちこっち、かっちこっち…… 時計の秒針がやけに大きく響く、ヘンな沈黙。 ユキ 「(な、なんか緊張、ってか……ドキドキしてきた……。 オンナも……、オトコとふたりきりになったとき、こんな気持ちなのかな……)」 『違う違うっ、ここがナオ兄の部屋だからだっ。 普段入らないしっ……それでなんかドキドキしてるだけだっ!』 ……それも理由としてはアレですが、 とにかくそう自分に言い聞かせるユキくんなのでしたが…… コースケ「……ごほ、ごほんっ! いやしかし……その……」 ユキ 「は、はい? (よ、よし! しゃべれ! なんかしゃべれ!)」 コースケ「ユキは、ステキなご家族に囲まれてるんですねっ。 ちょっと安心しました」 ユキ 「……え?」 『安心って……何が?』 すっ、と消えていくヘンなドキドキ。 思わずユキくんは、笑顔で語るコースケくんを見つめていました。 コースケ「実は最近……ユキ、少し元気がなかったんです。 落ち込んでるというか、僕や周囲を避けているというか……」 ユキ 「…………。 (そ……そういや、そうかも知れないな……)」 学ランを着た学校生活と、メイド服を着たご奉仕生活の二重生活を始めてしばらく―― 確かにちょっと、ユキくんはお疲れ気味でした。 クラスメイトの視線が気になりすぎちゃうこともしばしばでしたし…… お友達との付き合いも、ギクシャクしていたかも知れません。 ユキ 「(あんまり意識しないようにしてきたけど…… やっぱ、周りからは見えてんだな……。 オレがヘタばってるの……)」 コースケ「だから今日、あいつに会えたら、少し話がしたいなと思っていたんです。 でもこんな愉快なご家族がいれば、大丈夫ですよね……ははは」 ユキ 「――ありがとう」 コースケ「へ?」 ユキ 「い、いえ、あの…… オレっ……じゃなくて、『弟』のこと……心配してくれて」 素で出てしまった『ありがとう』。 それはごまかすユキくんでしたが…… それから彼に話した言葉は、決してごまかしではありませんでした。 ユキ 「あのコは……大丈夫だから。 確かにその、最近……『いろいろ』あって…… 友達に話しにくいことなんかもあるみてー……みたい、だけど……」 コースケ「ナオさん……」 ユキ 「でも、決してクラスのみんなのこと嫌いになったわけじゃないからっっ! いつか『そのこと』……自分で話すこともあると思うからっっ…… だから……それまで――気長に待ってあげてくれないかな」 コースケ「――ナオさんっ!!」 がしっっ!! ユキ 「え!?」 急にユキくん(ナオさん♥)の手を掴む、コースケくんの手。 自分の頭が真っ白になるのが、ユキくんにも分かりました。 ユキ 「え!? 何!? 何っっ!?(ドキドキドキドキ)」 コースケ「ありがとうございますっ。ユキのことをそんなに考えてくれてっ…… クラスのみんなも安心すると思いますっっ!!」 ユキ 「ま、待ってっ! まっ……わぁあああっっ!!」 どさっ……。 コースケくんのイキオイに押され、うっかりベッドに倒れこんでしまうふたり。 ユキくん、取り乱しすぎですよっ!? しかしちょうどそれで、ユキくんはコースケくんの下敷きになってしまって―――― ![]() コースケ「あっ……!? す、すみませんっ。僕っ……」 ユキ 「い……いえ……(ドキドキドキドキドキ)」 『ウ、ウソ……オレっ、押し倒されてっっ……!! オトコなのにっ……、オレ、オトコなのにっっ……!!!!』 ……だってコースケくんは、ユキくんを『ナオさん』だと思ってるんです。 蓄積されたさっきまでのドキドキ。 目の前に迫るコースケくんの顔。 昨日読んだイケナイ本の光景がフラッシュバックして、蹴飛ばす足も動きません。 ![]() 《オンナノコミタイナコト、サレチャウ》 ユキくんは思わず、か弱い声で…… ユキ 「は……離れて、ください……」 コースケ「え?」 ユキ 「離れてって……言ってるんだよぉっっ!!」 ――そのとき。 ユキくんの言葉に応えるように、部屋のノブが……がちゃり。 ナオ 「ただいま……? 誰かいるの……?」 ユキ・コースケ「「あ……」」 ……その瞬間のナオくんを、ユキくんはしばらく忘れないでしょう。 ベッドの上のユキくんとコースケくんを見るなり、ナオくんはその長い髪をふわっと逆立たせ―― ナオ 「ユっ…… ユキにっっ、手を出すなぁーーーーーーーーーーっっ!!!!」 ![]() ばきっっ!!! ……… ………… …………… コースケ「いやぁ、本当にお騒がせしました!」 ……日も暮れる頃。 『CherryGirls』ならぬ、ユキくん家の玄関には、頭に包帯を巻いて帰るコースケくんの姿がありました。 それを見送るのは ナオ兄(ひたすら申し訳なさそう)と トモくん(なんかツヤツヤしてる)と リオくん(なんかげっそりしてる)と…… ……ナオ姉ならぬ、オトコモノの服を着たリアルユキくんです。 ユキ 「わりーな、コースケ……。 痛い目あわせちゃって……」 コースケ「いや、僕が悪いんだ。 知らない男が妹とあんな風になっていたら、蹴りも入れるよ。 ……本当、みんな家族想いなんだね」 ユキ 「うう……ホントごめん…… オレが無理やり部屋にあげなきゃ……」 コースケ「?? なんでユキが謝るんだ? 僕をあそこに通したのはナオさんなのに。 ……しかし変わった家族構成だね。 同じ名前の男や女がたくさんいるなんて。 ええと、僕を蹴ったそちらの方は『ユキ姉』さんだったかな……」 ナオ 「ユ、ユキの姉の、ユキです……」 コースケ「あれ? じゃあナオ兄さんはどちらだっけ???」 ユキ 「まっ、まー、いいじゃねーか細かいことは。な!?」 どうもまた、ややこしい言い訳をしたみたいですね。 後で、つじつま合わせに苦労しそうですが……。 ――ともあれ、大変な一日もこれで終わりです。 自転車で帰るコースケくんを見送ると、ユキくんは深ーーーーいため息をつきます。 ユキ 「ふうっ……ひでー1日だった……」 ナオ 「ご、ごめんねユキ……。ボク、びっくりしちゃって……」 ユキ 「だからっていきなり蹴飛ばすことないだろナオ兄っ!? オレ、あいつが死んだかと思ったよ……」 ナオ 「だ、だって……。 ユキがボクの部屋で、オトコのコとえっちなことしようとしてるんだもん」 ユキ 「ち、違うって!」 ナオ 「でもユキ、離れてーって言ってたし……」 ユキ 「あ、あれはオレもビビってて…… あ~~~っ!! なんでオトコ相手にあんなテンパっちゃったんだろオレ……」 トモ 「お前が自分で蹴りをくれてやればよかったろうに――。 本当に仕方のない兄だ」 リオ 「やーい、ユキ兄のエロ兄ー♥♥ リオたちにヨクジョーしちゃダメだよ?♥」 ユキ 「違うっつってんだろバカぁっっ!! つーか……今日はみんな、一日ごめんっっ」 ナオ・トモ・リオ「「「…………」」」 黙ってしまうユキくん。 その肩を抱いてあげたのは、ナオくんでした。 ユキ 「あ……」 ナオ 「……いいんだよ。 元はといえば、ボクたちがヘンな服ユキに着せたのが悪いんだし。 今日は大変だったね、ユキ」 ユキ 「ナオ兄……」 ナオ 「学校でも、家でも……いつも苦労させてごめんね。 ボク、ユキにいい友達がいて安心しちゃった」 ユキ 「はは……。アイツも同じこと言ってた。 ユキにいい家族がいて安心したって」 トモ 「――では今後の目標は、そんな家族に欲情しないようにすることだな」 リオ 「おトモダチにもねっ♥♥」 ユキ 「ちっ、違うっつってんだろっっ!!」 ナオ 「ユ、ユキ……? 恋愛は自由だけど……お兄ちゃんにちゃんと相談してね?」 ユキ 「ナオ兄ーーーっっ!! ちゃんと話きいてーーーっっ!!!」 いい家族に、いい友達。 ユキくん、なんのかんの言って……幸せモノかも知れませんね♥ 来月7-8月はサマースペシャル! ついに“あの”企画が動き出す!? おたのしみに♥ |

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